【第8回 姿勢のお話:背中編】

 

               人体を横から見ると骨は首から背中、腰にかけてS字構造になっています。

      その訳は、頭、上肢の加重を分散・軽減するためにバネのように凹部、凸部を3ヵ所設けるように進化し

       加重を3×3+1=10   

      

               ↑ このように10分の1に軽減させているのです。

      人間の背骨(脊柱)の中で自由に動かせるのは、首(頸椎)と腰(腰椎)で、胸椎は鋤骨を伴っているのでほとんど

               動かすことができません。

      首や腰が動くことによって起き上がり、振り向き等のねじり、曲げ、伸ばしなど様々な人間特有の運動・動作が可能

               になったのです。

      哺乳類の中で人間最大の特徴は二足歩行ですが、脊椎のS字湾曲という進化がそれを可能にしました。

      そして同時にそのことからの障害が出てしまいました。

       立つことによって腰椎に頭から腕・胸にかけての重量がすべてかかるようになってしまいヘルニア、狭窄症などの

       腰椎症、腰痛症などを抱えるようになったのです。

       赤ちゃんは生まれたばかりの頃は腰椎が湾曲していなくて、四足動物と同様の姿、形となっています.。

                やがて立ち上がり、歩くようになると背骨はS字状になってきます。

                そして頸椎と腰椎を自由に動かせようになります。

                背骨を湾曲させるために最初はつま先立ち、ペンギンのようなO脚立ち歩き、更にX脚となって足底の縦アーチ・

                横アーチつまり土踏まずを完成させ、スムースで効率的な姿勢を完成さ

                せて二足歩行になったのです。

    自由に動かせる首(頸椎)と腰(腰椎)、しかしそこが身体の中の弱点になってしまったようです。

    ですから、日々の運動、鍛錬が必要?

    体幹を強化するため、腹筋・背筋を鍛える?

    それも良いのですが、当然ながら時間がかかりますし、トレーニングは続けなければ筋力は維持されません。

    加齢によって少しずつ衰えていくのが筋力で、トレーニングによる筋力強化には限界がありそうです。

    第二の道を探す方が良さそうです。

    野生の動物は身体を鍛えるようなことはしません。

    人間は本来の身体姿勢を整えることによってこそ、体幹を強化し筋力の衰えを補って余りある効果をもたらすのです。

    武術の達人が老齢になっても高度な技術、能力を発揮できるのは姿勢による身体強化の方法を身につけている、或いは

    身についているからです。

    日本人の上体姿勢の歪みはほとんどが猫背、平背、巻肩でいわゆる前かがりの姿勢です。

    背部、腰部、頸部のS字の崩れなのです。

   

    日常生活の中で矯正していきましょう。き直すのが一番です!!

    まず、肩幅より小さい足幅で立ち、両足かかとに加重します。踵踏み込みがいいでしょう。

    そして、足の指で大地を掴むようにします。

    これで歩き出してみましょう!!

    大股で目線は地面と平行にして顎を引き、胸を突き出すようにして歩きます。

    手は、体側より後方に「7」、前方に「3」くらいの割合で振って、後方に手を振る意識で歩きましょう。

    姿勢は見る間に良くなっていきますよ!!